ベルリンから人生敗者復活戦。

ワーキングホリデーの失敗談を綴る。その失敗の過程と、失敗から出直す、敗者復活戦の過程も勝手に配信する。現在はベルリン→東京へ移住済。海外経験後の帰国生活についても配信中。

自閉症スペクトラムASD、海外生活経験者は東京で会社員生活しながら楽しく生きられるのか?

ベルリン→東京移住、帰国前後の葛藤やその後のチャレンジや今後の生活についてまとめた「帰国物語」を書いているときから、早く届けたかった記事がコレ。ブログをほったらかしている2年間で純粋に「どの記事が一番読まれているのか?」が気になったのですが、なんと1位も2位も「自閉症スペクトラムASD」関連の記事でした。

正直こんなに読まれていると思わなかったんですけど、それだけASDの当事者の記事が少ないのか、たまたまASD関連の方が海外生活、またフリーランスという選択肢を頻繁に検索されているということかもしれませんが、何にせよ需要があるテーマなのかもしれないので、「ASD当事者の海外生活その後」について書いていこうと思います。

www.berlin-fightback.com

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 【目次】

 

自閉症スペクトラムASDは海外移住したら楽に生きられるのか?

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ベルリン時代に書いた記事の結論にも書きましたが「ASDが海外に暮らしたとしても、山にこもらない限り対人関係からは逃げられない」というのが気づきでして、「(日本特有の)言葉にしないコミュニケーションも、(欧米特有の)言葉にされるコミュニケーションも、結局はコミュニケーションの本質に違いはない」ということが真理でした。

そこの納得度が上がった状態で日本に帰国したので、帰国後のコミュニケーションにおいて苦労したとしても「日本社会独特の悪癖である」というような極端な傷つき方はなくなりましたし、そもそも論、「私の伝え方や、聞き取り方が上手ではない可能性も残っていて、相手がどうであれ私側でもっと改善できるんじゃないかな?」と建設的な受け取り方をすることができるようになりました。

住む場所がどこであっても、受け取り方を変えていけば対応が変わる

つまり、原因を日本社会や海外生活に求めているうちは、外的要因次第で振り回されてしまうので苦しさの終わりが見えません。どこに住むにせよ、いつだって即時に変化を起こせるのは自分自身なんです。社会や相手に変化を求める前に、まずは自分が変われないか、考え方を工夫できないかと考える方が近道だとわかるようになりました。

日本生活、海外生活、両方を経験することで納得度が上がる

この納得度をどのように得るか、という点が一番難しい過程だと思うのですが、極論、どっちの世界でも苦労してみること、としか言えない。。。。日本社会の苦労も、海外生活の苦労もしてみて初めて実感する両世界の良い面も悪い面もあるわけです。これは記事を読んだり映画を見たとしても、自身の体験に勝る納得度はない気がします。それが一ヵ月なのか、一年なのか十年なのかは分かりませんが、気が済むまで体験してしまうことが一番だと思います。私自身は二年かけて実感した学びでしたが、たった一週間の旅行で同じ感覚を持つ人だっているかもしれない。

「苦労をしてみる」という定義は「日本の方が道がきれい」だとか視覚的にわかるレベルではなく、可能であれば文化レベルで苦労してみるのがいいと思います。

その場合、留学生のような「学生という守られた立場」だけでなく、実際にインターンシップや職を得ることで感じる体験とか、ビザ更新の苦労とかも体験してみるといいと思います。現地で友人も恋人も作ってみるべきだし、逆に友人も恋人も失ってみたらいいと思う。日本社会で体験した一通りの体験を海外でも再度繰り返してみて、どの過程でどんな苦労や発見があるか、積み重ねていったうえで結論を出せばいいと思います。

日本でも海外でも苦労はあるので、安直にASDだから海外が良い、とは結論づかない

私は色んな要因がありましたけど、苦労するのはどっちの社会でも同じだな、と分かったので、ビザ問題や学歴や職歴のハードルが低い自国の方がメリットを享受することが多いと思って帰国しました。帰国後の生活の場を東京という海外生活者が多く、また外国籍の住民も多い街にしたことも、今の生活が楽である一因だと思います。そして後述しますが、仕事においても「半分以上外資系っぽいマインドな日本企業」で働いているので、チームの半数以上が海外経験者(というか帰国子女も多い)ですし、英語を多用するのが日常なので海外経験が重宝される、いいとこどりな環境です。帰国したとしても自分が選択していく環境次第で生きづらさも軽減されると思うので、単純に海外だから、日本だからという二元論で決めなくていいな、と感じました。

 

自閉症スペクトラムASDはフリーランスかフルタイムか?

私の場合は「収入や仕事の先の見通しを立てて生活したい」という欲求が強かったので、その両面の見通しが立てやすいフルタイムの会社勤め生活に戻りました。ここは二年前も文章にしていますが、フリーランスであれフルタイムであれ、メリットもデメリットもありますので、どれがあっているかは一概に断定できません。しかし二年前にも書いた「職種を基準に考える」という点は今でも合っているな、と思っています。

「職種を基準に考える」という点は、スペシャリストであるかどうかという点でもあり、日本社会だけでなく海外に出た際にも同じ職種でキャリアを積み重ねていると職業経歴書に一貫性が出やすいので、その点も含めて職種基準はあながち間違っていないかな、と。

もしある職種においてのキャリアが長く、かつ専門性を高めて会社以外でも価値を提供できるという自負があればフリーランスもいいのではないかと思います。ただしもし、ある職種においてまだ経験値を高めたいと思っている段階であれば、諸々の条件を天秤にかけたうえで会社員として経験を積むのもアリだと思います。私の場合はまだまだ今の職種においてキャリアを積み重ねていきたいと考えたので、希望する職種で就職できる会社で転職活動を行いました。

 

ASDはフリーランスでもフルタイムでもいいが、理想を言えば兼業かもしれない

ASDにとってフリーランスがあっているか、フルタイムがあっているかは人それぞれだという点は今でも変わりませんが、私の現状のお話をすればフルタイムでとても満足しています。キャリアを積む段階では、(かつ新しい業界に挑戦しながらの状態なので)会社という仕事が発生しうる環境の中で回転すしのように仕事が発生している方がありがたいです。

まだ自分で仕事を生み出したり、または仕事を頼まれるほどの経験値が足りないと思う段階では会社員という選択肢もアリかと。

ただし会社員生活の中で自分の専門性の高まりは実感しますし、新しく知り合う異業種の方とお話ししていても「それは知らなかった!参考になる!」と言われることも多いので、会社員を続けながら兼業で知り合いのビジネスをサポートするのは面白いだろうな、と思っております。理想はフルタイムとフリーランスの兼業で、会社で一定のテンポをつかみつつも、空き時間を使って会社以外での経験も積んでいくこと。ありがたいことに今の仕事はやりがいもありとても好きなので、会社自体を辞めることはそうそうないと思いますが、企業で学んだことをスモールビジネスでも活用していけるようになることが今後5年ぐらいの目標かな、と思っておりっます。

ASDと診断されてこのページに来られた方へ

今はきっと驚いたり、でもどこかしら納得感や安堵もあったりと、複雑な心境なのではないでしょうか?私は診断が出たとき「ああ、私が苦手としてきたことはふざけているわけでも、努力が足りなかったわけでもないんだ」と安堵しましたし、「診断が下るということは、この特徴と一生向き合っていくしかないんだ」という怖さもありました。

生きづらさを抱え、仕事でもうまくいかなくて休職の果てに退職、そして再起を求めてドイツに移住しようとしたんですけど、この極端に思える行動自体が私の中での「ASDだからこうやって生きるしかない」みたいに凝り固まっていたこだわりを砕いてくれた気がするんですよね。

空気が読めないとか、曖昧な表現が苦手とかコミュニケーションの難しさって、まだ発達段階の子供同士だったら理解力も低いので苦労も多いと思うのですけど、成長した後の大人同士であれば、真摯に丁寧に対応したらASDがあったとしても、仕事って出来ているなって思います。丁寧すぎるぐらいで丁度いい細かい仕事だってあるし、逆に丁寧さが重宝されるプロジェクト管理とかの仕事もある。もし「細かすぎる」って言われたら、「これぐらいのラフさでも問題ないのかな?」って一回確認させてもらえばいいし、大切なのはコミュニケーションから逃げないこと。逃げちゃったら、もう一人の世界に入ってしまうので。

コミュニケーションがとりづらい人もいるし、大人になっても子供っぽい対応をする人だっています。でもASDのあなたが最大限頑張っているならば、そこはもう相手次第だから。「この人はここまでかな?残念だけど、気持ちを区切ろう!」と思って先に行くだけ。

私は二年かかったけど、今はあんまりASDだからって意識することも減りました。だって病名がついてないだけでオカシナ行動する人は沢山いるし、逆にASDって診断されているから私が何か劣っているだけでもないし。足が速い、遅いレベルの個性で、その個性を生かしてもいいし、使わないまま保存しておいてもいい。

私は、ドイツまで逃げ込んでみて、気が楽になりました。

このような納得度や実感は自分で経験したうえでつかむしかないものだと思うけど、だからこそ「経験してみたらいいよ」と思うし、「怖がる前に怖がっている対象が本当に怖いものなのか確認してみよう」って声をかけたいです。もしお子さんがASDやADHDって診断されたとしても、それはこの世の終わりじゃないし、素晴らしい仕事をして立派な社会人の先輩もいます。私以外にも沢山体験談を出している人はいると思うので、一人で考えすぎないで、ぜひ色んな先輩の声を聴いてみてください。大丈夫、苦労した分だけ、成長できるって保証します。

 

またASD関連のお話すべきことがあったら、文章にするようにしますね。