ベルリンから人生敗者復活戦。

ワーキングホリデーの失敗談を綴る。その失敗の過程と、失敗から出直す、敗者復活戦の過程も勝手に配信する。

ベルリン国際映画祭スペシャル・ガラ上映“ユーモラスでキュート、心温まる「勇気」の物語”ゴヤ賞受賞Bookshop —舞台挨拶から、作品解説まで

 

ベルリナーレ、まだまだ始まったばかりですが、この始まったばかりのシーズンこそ「舞台挨拶」を見ることが出来るチャンスも多く、映画祭のダイナミックな現場を楽しめることが多い時期です。今日は先日のスペイン版アカデミー賞ゴヤ賞の主要部門を受賞した作品「Bookshop」をご紹介しましょう。

目次

 映画の基本情報について

⑴映画の概要

予告編

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ストーリー

舞台は1959年のイギリス。世界大戦が終わった後の架空の街Hardborough。田舎町の古い家を買い取り、小さな街に本屋を開業することにした未亡人女性、Mrs.Green。おませな少女Christianをアシスタントに、孤独な老紳士Mr.Brundishをアドバイザーに、仲間と一緒に小さな本屋を一生懸命に運営していきます。人々にも本屋が支持されてくるようになりますが、街一番の資産家で権力者でもあるMrs.Gamatは「その物件にはアートセンターがふさわしいと思うの」と主張し、度重なる妨害を始めます。最初は気丈に振舞っていたMrs.Greenでしたが、Mrs.Gamatの妨害がエスカレートしていくことで様々な困難に直面していくことに・・・

日本公開日:未定?

公式HP:未発見 

*この英語の映画サイトが詳しいかな? The Bookshop (2017) - IMDb

 

⑵原作・原作者の紹介

ペネロピ・フィッツジェラルド Penelope Fitzgerald(1916~2000)

テムズ河の人々 (1981年) (ダウンタウン・ブックス)

テムズ河の人々 (1981年) (ダウンタウン・ブックス)

 

イギリス人の小説家、詩人、エッセイスト、伝記作家。本作の「Bookshop」は1978年に出版された作品で、翌1978年に「テムズ河の人々」でブッカー賞を受賞する前の作品である。今作品でもすでにブッカー賞の最終候補に残っていた。2008年のTIME誌にて「1945年以降(戦後)の最も偉大なイギリス人作家50人」にも選ばれている。

過去の作品

「テムズ河の人々」1979年

「The Beginning of Spring(意訳:春の始まり)」1988年 

「The Gate of Angels(意訳:天使の門)」1990年

受賞歴

1979年 ブッカー賞「テムズ河の人々」

1997年 全米批評家協会賞 

⑶監督の紹介

イザベラ・コイシェ・カスティージョ Isabel Coixet Castillo

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スペイン・バルセロナ出身の女性映画監督、脚本家。1988年に「Demasiado Viejo Para Morir Joven」にて映画監督、脚本家としてデビューして新人賞の新人監督賞を受賞。その後は英語での作品も発表するようになり、2003年の「死ぬまでにしたい10のこと」ではベルリン国際映画祭で賞賛された。2009年の作品「ナイト・トーキョー・デイ」に出演以来、日本人女優菊地凛子とも交流が深く、夫の染谷将太との結婚式にも参加している。彼女を再度起用した2015年の「Nobody Wants the Night」ではベルリン国際映画祭のオープニング作品に選ばれ、ベルリン国際映画祭とも大変関わりが深い監督である。今作の「Bookshop」は先日行われたスペインの映画賞(スペイン版のアカデミー賞)にて作品賞、監督賞など主要部門を独占した。

過去の作品

「死ぬまでにしたい10のこと」

「あなたになら言える秘密のこと」

受賞歴

2006年ゴヤ賞「あなたになら言える秘密のこと」作品賞、監督賞、脚本賞

2015年 スペイン政府芸術文化勲章

 

⑶注目すべき役者さん

エミリー・モーティマー Emily Mortimer

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イギリス出身で現在はNY在住。今作ではシリアスになりやすい困難にある女性をユーモア言えるチャーミングな女性として演じていたが、コメディーやサスペンス映画などでも評価が高い女優さん。2011年の「我が家のおバカで愛しいアニキOur Idiot Brother」では浮気癖がある旦那に、問題ばかり起こすバカアニキ、バイセクシャルで恋愛でゴタゴタする妹ナタリーや、仕切り屋の妹ミランダに挟まれるボロボロのお姉ちゃんリズを演じていました。ここでも可哀想な役どころなんだけども、どこか可愛かったんですよね。すでに46歳ですがここまで可愛いアラフォーって池脇千鶴さんみたい!声が可愛すぎてジブリの英語版の声優に抜擢されるっていうエピソードも抜群に可愛い。キュートです!*この映画面白いのに日本未公開作品らしいです、もったいない!*

過去の作品

「ハウルの動く城」(英語版で若い時のソフィーの声を担当)

「ヒューゴの不思議な発明」

 

ベルリナーレの会場や現地の様子について

⑴劇場の紹介

本日の会場はFriedrich Platzでした!この会場はメイン会場のPotsdamer PlatzからもSバーンで2駅と近いですね。Friedrichstrasse駅で降りて、徒歩で5分ぐらいです。

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ブレまくっていますが、会場もベルリナーレ仕様に変わっています。普段はこちらショーをしている劇場でして、映画館ではないんですよ!現在ではThe ONEってショーが開催されております。ベルリナーレ期間だけ、毎年ショーを休止して特別に映画館にしてしまうという気合の入りよう。

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この劇場の何がいいって、もうキラキラで豪華なところ!

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会場もめちゃくちゃ広いですね!中央だけ席が空いているのは関係者席だから!本日(2/16)が初日だったので、ここに主要キャストや監督達が後ほど着席していましたよ!チケットは座席指定ではないので早く来た人から好きな席に座れるという!だから中央席の近くに座れば、俳優さんたちももっと近くで見ることができますよ。

⑵チケットの入手度合い

今回は友達にチケット入手をお願いしていたのでチケットの販売の様子はわからないですが、かなり満員になっていたので人気作品であったことは間違いないでしょう。ゴヤ賞の発表が直前の2月3日だったので、その影響もあって余計に「見たい!」ってなった方も増えたのではないかと。 

⑶現地ファンの反応

「あ、これが万人受けする映画なんだな!」って分かるぐらい、会場に一体感を感じましたね。上映後の拍手も大きかったし、長かった。(スタンディングオベーションってほどではなかったけれども。ここが「歴史に残る名作」とかとの違いなんだろうな)もちろんトーンが軽めの映画なので「苦しい」「痛い」ほどの演出はなく、悲しいシーンで悲しく、「なんで!?」と腹がたつシーンで腹がたつ、という当たり前な喜怒哀楽を主人公と一緒に共有できました。ユーモア、チャーミングさ、そして撮影地の北アイルランドの自然の描写も美しく、一緒に笑ったり、「わあ〜!」って美しい映像にため息ついたり、観客が一体になる瞬間が本当に多かった。友人もクスクス笑い、上映中にコソッと「面白いね!」って喋りたくなるぐらい。実際に上映後の会場は騒がしく、深夜近い時間であっても「この映画について喋りたい!意見交換したい!」という興奮が会場に満ちていました。

主演女優のエミリー・モーティマーが「応援したくなる感じの未亡人」だったし、悪役であったMr.NordやMrs.Gametもエレガントすぎて分かりやすく嫌悪感が持てないキャラだったんですよね。バランスがすごくいい映画でした。イギリス人の特徴なのか、小難しい英語で小難しくユーモアを入れてくるんですけど、そこがまた面白かったんでしょうね。それをスペイン人の監督が撮る、そしてほとんどのスタッフがスペイン人!というイギリスを舞台にした映画。出資にはドイツも関わっていた、という部分が一切臭ってきませんでしたが(笑)かなりこの監督とベルリナーレの相性はいいのだと思います。好きですね!

 

勝手な映画評論(ネタバレ、あらずじ有)

基本構造はこんな感じです*

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私が参考にしているのは、脚本家、ストーリーを作る方には有名であろう名著「物語の法則」です。昨年度は「ぐわ〜!とても良い映画だったああああ!」と感情のままに感想を書きなぐり「うん、熱意は伝わるけれども長いし概要がよく分からん!」な記事になっていたので、今年は少し成長したいと思って映画のお勉強をしてみました。素人の遊び程度ですが、上記の本に従って、映画の分析をしてみたいと思います。ベルリナーレも二回目だし、今年もう少しマシな記事を目指します!

 

⑴一文字でいうと / 一言でいうと・・・

一文字:「勇気」の映画

一言:「人間としての“勇気”を持った者達の交流」の映画

⑵シナリオ分析

ログライン

旧体制が残る田舎町で本屋を開こうとする未亡人女性が、同じ物件にアートセンターを作りたいマダムから妨害を受けながらも気丈に仲間とともに立ち向かう。

三幕構成の分析
第一幕:人物紹介と課題・障害の提示、立ち向かう最初の勇気

1959年、イギリス。自然が美しい街Hardborough。ロンドンから離れたこの田舎町で、古い家を買い取り小さな街に本屋を開業することにした未亡人女性、Mrs.Green。古い家を手入れして、すぐに移り住みました。噂好きな住人達にも本屋開業の件はすぐに広まり、ある日街の権力者であるGamet夫妻のパーティーに招待されます。そこでは口だけは達者なMr.Nordに意味深な言葉をかけられ、訝しんでいると主催者であるMrs.Gametが話しかけてきました。「あなた、あんな古い家に住んで大丈夫?本屋だなんて、もっと高尚なアートセンターみたいな場所にした方がいいと思うんだけど」彼女は本屋開業を快く思っていないのです。Mrs.Gametの言葉に傷つきながらも、「私を雇って!」と押しかけてきたChristineという少女を迎えて本屋は順調に運営されます。噂好きで俗物的な住人に嫌気がさし、丘の上の屋敷に一人で生活をしていた孤独な老紳士Mr.Brundishが初めての顧客になってくれました。彼はMrs.Greenに「君が選んだ本を届けてくれ」と頼むのです。Mrs.Greenはどんな圧力をかけられたとしても、懸命に本屋を運営していくのでした。(Mrs.Greenの勇気)

二幕:絆の深まりと、強まる抑圧、そして二人目の勇気

街の人たちもこの街唯一の本屋に興味津々、本屋はすぐに人気になりました。貧しい家庭に育ったChristineはとても賢く、お客様への対応も丁寧です。今ではMrs.Greenのとてもいいパートナーとなりました。「絶対日本は読まない」と公言するChristineもMrs.Greenに「この本をぜひ読んでみて?」と勧められると断りません。「読んだらあの、中国のお盆を頂戴ね!」とリクエストも忘れませんが。老紳士Brundishは「Ray Bradburyを紹介してくれて有難う。彼の著作は全て読みたい」と、Mrs.Greenのセレクトをとても気に入ってくれるのでした。

ある日店を訪れたMr.Nordからロシア人作家ナボコフの問題作「Lolita」を紹介されます。確かに売れている本ですが、この街の人に受け入れられる本でしょうか?実際に自分で読んでみた上で、Mrs.Greenは老紳士Brundishに同じ本を届けアドバイスを求めます。後日彼の家にお茶に招かれたMrs.Greenは「良いものは良い。勇気を持って行動できるのは人間だけだ」と励まされ、Lolitaを250部も発注する事に決めました。Lolitaが店頭に並ぶと、Mrs.Gametは圧力を強めてきます。法律家や銀行を使ってのプレッシャーに懸命に耐えてきたMrs.Greenでしたが、何とアシスタントのChristineが児童労働だと指摘されて働く事ができなくなってしまいました。

ある日、川辺で気落ちしていると、Mr.Nordが自慢の彼女とやってきました。実は彼の尊大な態度に悲しんでいた彼女は、Mrs.Greenの「死んでしまった夫との出会いは本屋で、彼と毎晩本を読む事が幸せだったのよ」と本当の愛を知り、Mr.Nordとの関係を終わらせる事に。一人でも本屋を運営するMr.Greenの元にChristineの母親が訪ねてきました。「あの子のために、推薦状を書いて欲しい」というのです。快く推薦状の依頼を引き受けたMrs.Greenでしたが「この推薦状を持って、Christineは新しい本屋で働くのよ」と聞き愕然とします。なんとMrs.Gametの働きでこの街にもう一つの本屋ができてしまうのでした。申し訳なさそうに店を訪れたChristineに少し早めに中国のお盆をプレゼントするMrs.Green。

その後彼女に振られたMr.Nordが店のアシスタントになり、なんとか運営を続けますが、苦しい事ばかり。川辺で立ち尽くす彼女を見たMr.Brundishは「俺が直接あの女と話に行く」と、長年交流を拒絶していたMrs.Gametの元に向かうのでした。狡猾なMrs.Gametとの会話で心身ともに疲れ果ててしまうMr.Brundishは、帰り道でも動悸が治まらず、遂に自身の屋敷の前で息を引き取ってしまうのでした。(Mr.Brundishの勇気)

三幕:離れ離れになる絆と、裏切り。最後の勇気を示すのは?

Mrs.GreenはMr.Brundishに読んで欲しかった新刊を手に悲しみにくれます。そこに現れたMr.Gametは妻が行っているどんな妨害行為も素知らぬ顔、遂にはMr.Brundishの件も歪曲して話を作り出すので、Mrs.Greenは今までになかった強い口調で彼を追い出すのでした。その後妨害行為は強まっていき、遂には「あなたの家は住居としてふさわしくない」という理由で弁護士から攻め立てられます。「実際に私はちゃんと住んでいますよ」と答えると、「いいえ、水に問題がありますね。調査結果もあるんですよ」と詰められることに。調査結果とはアシスタントに雇ったはずのMr.Nordが勝手に水を検査に出しており、また彼から「環境が悪いために勤務に支障が出る」という申し立てまで出されていました。ここまでの裏切りに心折れてしまったMrs.Greenは遂に本屋をたたみ、街を去ることに決めました。港で船に乗り込むと、最後の別れにChristineが駆け寄ってきました。彼女の手には「絶対に読まない」と言っていたあの本が。そして、本屋があった古い家の方角からは煙が上がっているのでした。Christineが行った行為、その思いを知ったMrs. Green、そして大人になってから本屋を開業するChristineが描かれてストーリーは終わります。

 

⑶勝手にほとばしる情熱的なコメント

ここまで何度か繰り返し登場している「勇気」という単語ですが、この映画ではまさに「勇気」をもつこと、「勇気」をもって行動することがストーリー上のターニングポイントになってきます。(前日のリバーズエッジでは秘密がポイントでしたね)このセリフは「論議が生まれることが予想されるような本ナボコフ著『ロリータ』を果たしてこの街で販売するべきか」というMr.Greenの悩みに対して、Mr.Brundishが「良いものは良い。このような勇気を持っているのは“人間”だけだ」と諭したシーンで登場しました。

この「勇気」というものは逆境の中でも本屋を運営していこうとするMrs.Greenだけではなく、彼女に関わる人たちも持っていて、彼らなりに実際の行動で彼らの「勇気」を示していきます。本屋を運営するMrs.Greeの「勇気」は“夫亡き後に、夫との大きな繋がりである本、彼と出会った本屋を何があっても運営しよう“というもの。孤独な老紳士Mr.Brundishの「勇気」は“大切な人のために、過去の自分のしがらみや殻(Comfort zone)から抜けだして、不快なもの(Mr.Gamet=街そのものを象徴する存在)に立ち向かう”こと。そして本屋を手伝う少女Christineの勇気はストーリーの最後に示されます。この小さな少女の勇気が、この物語が何の物語(テーマを持っているのか)をハッキリと定義したな、と思います。

すでに鑑賞済み、三幕分析を読まれている方には彼女の行動が何かわかると思いますが、彼女は最後に「古い家」を燃やしてしまうんですね。この家はMrs.Greenにとっては「本屋」だったし、Mrs.Gametにとっては「アートセンター」にしたい場所だった。結局は物件の問題で争っていたので「この街で本屋を運営するかどうかが」が論点ではなかったのです。実際にストーリーの最後には「街の別の場所に新しい本屋を開くわ(つまりライバル店を出現させることで経営すら圧迫していく)」という妨害をされますので、本屋であることよりも物件が狙いだったわけです。争いに疲れ、街を去ることになったMrs.Greenが船に乗り込み、立ち去らんとするまさにその時、Cristineがある一冊の本を持って、船場に駆けつけます。立ち上る煙が指し示していたのは、彼女が物件自体を焼き払ってきたということ。この時に少女の「勇気」が示されたのですね。

さて、この「勇気」が賞賛されるべき行動かという法的、倫理的観点は無視します。映画だからね!ここで注目したいのはChristineが「子供」であるというポイント。大それた行動を起こしてしまった少女ですが、彼女は見つかったとしても子供なのできっと罪に問われる、大きく罰せられることはなかったのではないでしょうか。もし犯人として逮捕されても、彼女なら「私は物事の分別がつかない子供である」というカードを使ってかわしきったでしょう。作中で何度も描かれていますが彼女は貧しい家に生まれながらも、Mrs.Greenが舌をまくほどに賢くウィットに富んだ会話を大人とかわすことができるほどに思考能力も高いです。そんな彼女が選んだ火をつける道具も石油ストーブ!火事になりやすい、つまり事故に思わせやすい道具を選んでいるんですね。(しかも作中で実際に「これ、使い方に気をつけないと火事になるわよ」というやりとりができています。)「自身はまだ子供である」というカードを最大限に使い、彼女にしかできない勇気を示したのです。

彼女がこれほどまでの勇気を示せたのはなぜか、それは彼女が子供ゆえにどうしようもない力に抑圧されていたからでしょう。まず、彼女は貧しい家庭に生まれついているので「働きたい、稼ぎたいの」といってMrs.Greenの本屋にきています。しかし母親からの「働いてこい」という言葉がなかったとは思えません。他の子供がボーイスカウトなどで子供らしく振舞っている時に、彼女は学校が済んだら働きに来ているのです。この「子供であるが、稼ぐ必要がある」という状況で彼女は子供でありながらにして“子供”ではありませんでした。そんな環境でありながらもMrs.Greenは彼女にとても良くします。二人はいつしか素晴らしいパートナーになり、友人となりました。しかし、なんとか本屋の経営を妨害したいMrs.Gametの差し金で、学校に監視官の抜き打ちチェックが入りChristineは学童労働違反で働くことを禁止されてしまうのでした。彼女が最後に「子供である」というカードをフルに使って行動を起こすまでに「子供であるがゆえに」彼女はずっと抑圧され、制限を受けていたのです。この背景からも彼女が自分の意思で最大限に「子供である」という点を使って勇気ある行動を起こした、ということは「ただ単に子供が意地悪な大人に仕返しをした」という点とは覚悟が違うと思うのです。

この映画の英語での売り文句は“A town that lacks a bookshop isn't always a town that wants one.”「本屋が存在しないその街は、本屋を欲している街とは限らなかった」です。ストーリーとしては単純で「本屋を運営したい女性が、政治的圧力をかけられながら奮闘するも、最後には争いに敗れて街を去る」というとってもシンプルなもの。正直言って、予告編からも作品説明からも「退屈そうなストーリーだな」としか思えなかったですね。友人が「この映画みたい!」と言われなければ選んでいなかったと思うほど。しかし実際にはシンプルなストーリーであるのに、実は人間模様が濃密で2時間ほどのストーリーがあっという間に過ぎて行く、間延びがないという素晴らしい映画でした。

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同様にストーリーとしてはシンプルなのに、やたらと濃厚で引き込まれる映画として「ブラック・スワン」がありますね。これは「バレエダンサーのニーナが初めての大役を掴み、役に没頭するうちに自分を見失い狂っていく」というバレエ公演前から公演までの、短期間のお話。でも演技や狂っていく描写など息をつかせない展開でストーリーそのものよりも映画としてすごく面白かったですよね。当たり前ですが映画は「映像メディア」なのだと改めて考えさせられました。

最後に、撮影場所の北アイルランドの自然が美しかったことには触れましたが、その色合いがまた綺麗だったことを再度主張したい。衣装も素敵でカラフル!自然の色を邪魔しないビビットから少しトーンを落としたカラーで、どのキャラクターもエレガントなスタイルでした。この視覚的に楽しませてくれる、という点だけでも見ていて楽しい。さらにキャラクターもイギリス人にしては結構感情豊かな感じで、ロンドンの天気みたいにジメッとしていない。あっけらかんとしているので、感情移入がすごくしやすいんですよ。この色合いと生き生きとしたキャラクターはやっぱりスペインの監督、スタッフさんの映画だなあ、とイタリア人と話しておりました。彼もこの映画をめっちゃ気に入っていましたね!

舞台裏、その他の追加情報 

レッドカーペットってこんな簡単に見れるんだね!ビックリ!

Friedrich Platzは正面の入り口に向かって左手側に進むと、横から入っていくドアとレッドカーペットがあります。

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「あ、そういえばこの会場はレッドカーペットあるな!場所だけみておこうかな(上映30分前だし、流石に出演者たちはここにはいないだろう)」と思って近づいて見ると、アレー!なんか盛り上がっている!

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多分スペインからのプロドューサーのお一人かな?私はわからない方だったのですが、やたらと写真を撮られ、サインを求められていました。この方誰でしょうか?一応レッドカーペットでも、めっちゃ近くでサインもらえそうですよ!ってことでご紹介しますね。マダム、めっちゃ優雅だわ。こんな艶がある年の重ね方をしたい。

 

初日の上映には映画チームも出席!監督に主演女優参加の舞台挨拶!

映画祭の楽しみは、何と言っても俳優や監督さんの挨拶を直接見ることができて、質疑応答にも参加できるところ!

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上映前に司会者が舞台に立つと「ご紹介します、今回の映画キャスト、そして製作チームの皆さんです!」予想していたけれども観客大喜び!

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客席に向かって手も振ってくれます。

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上映後にも舞台挨拶が。

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まずは監督が登場!観客ワーイ!「でも、キャストはすでに帰っちゃったのかな?」と思えば。。。

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キャストも続々と登場!観客ワーイワーイ!

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お花を渡す係のお姉さんたちがすっごく役得で嬉しそう。いいね!

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いや〜、女優さんたち綺麗だわあ!何度も言いますけど、エミリー・モーティマーが最高にキュート。で、悪役だったけれどもひたすらエレガントだったマダム、パトリシア・クラークソンが貫禄ありましたね。流石、アカデミー賞でノミネートされたこともある女優さんです。

 

こんな感じでしょうか?今回は英語で見て英語で書き取って、日本語で情報をまとめる作業だったので少し気が張りました。でも日本語作品よりもある意味情報量が少ないので、まとめようと思ったらまとめ易くて良かったですね!英語サイトの方が情報が多いことは明らかなので、もっと英語サイトの情報も読み込みつつ映画をご紹介していけたら、と思います。

次の映画はコンペティション部門選出作品「EVA」です!主演は美しすぎるフランス人俳優ギャスパー・ウリエルです。明日、日曜日に見に行くので既にプレミア上映などではないのですが、映画自体をしっかり楽しんできたいな〜と思います。