ベルリンから人生敗者復活戦。

ワーキングホリデーの失敗談を綴る。その失敗の過程と、失敗から出直す、敗者復活戦の過程も勝手に配信する。

ベルリン国際映画祭Berlinaleでベルリンに来るならば、先に見ておきたいドイツ映画厳選3作。ベルリンの街並みと空気を疑似体験しよう。

ドイツ映画にも名作は沢山あるのですが、今回は特に「ベルリンという街を舞台にしている」というポイントと「ベルリンの見せ方が良い!」という私の独断と偏見テイストで3作を選ばせて頂きました。年代は結構バラバラ、新しいのから古いものまで。何より大好きなドイツ人俳優トム・シリングについてやっと書けるのが嬉しいです!

どうせ海外に行くのであれば、その街のことを事前にリサーチしておきたいものですよね。海外の街を知るに当たって、その街で撮られた映画を見るのも一つの手段。フィンランドのヘルシンキにハネムーンに行った友人ご夫婦は「かもめ食堂」を見ていました。(*多忙な旦那さんは途中で寝落ちしたらしいですけど、まあ気合はそんな感じですよ)そして映画好きがヘルシンキに行くならば絶対にアキ・カマリウスキ監督作品まで見て完璧にしていくでしょう?ここまではしない?でも、映画から旅行先の街を勉強したり、旅行後にノスタルジーに浸るってあることだと思うのです。

そんなこんなで、私が見てきたドイツ映画の中で「あ〜、もう!素敵にベルリン!」ってワクワクした映画を今回ご紹介します。今年の映画祭に来られる方も、もしくは「映画祭には間に合わないけど留学/ワーホリする予定だよ!」って方も「ベルリンってこんな街並みなのね〜、へ〜!」程度にでも、どれか一つはご覧になっていただけたらな!いいね!実際にベルリンに来られた時に「映画で見た!」って思えるのは嬉しいですからね。是非是非に。

目次

 

カフェ!オシャレな街ベルリンなイメージを底上げしてくれる映画「Oh boy!

原題:Oh boy!

邦題:コーヒーを巡る冒険

www.youtube.com

ストーリー

ベルリンで暮らす青年ニコは、2年前に大学を中退して以来、自堕落な毎日を送っていた。ある朝、恋人の家でコーヒーを飲み損ねた彼は、車の免許が停止になったり同じアパートの住人に絡まれたりと散々な目に遭う。気を取り直して親友マッツェと街へ繰り出したニコの前に、ひとクセもふたクセもある人々が次から次へと現われ……。

コーヒーをめぐる冒険 : 作品情報 - 映画.com

白黒で見るオシャレな現代ベルリンの街並み。白黒で終始撮影された映像は「あれ?コレがあの小汚いベルリン・・・?(失礼)」と思っちゃうぐらいに「え?パリ?」って勘違いしたくなるぐらいにオシャレな街並みが映っています。ヤン・オーレ・ゲルスター監督が2012年に製作した長編デビュー作。デビュー作なのにそのままドイツ・アカデミー賞主要6部門を総なめした結構すごい映画。この年には結構話題になった映画です。年代が比較的最近なので、日本でもオシャレ系の雑誌にオススメ映画として紹介されていましたね。

この映画、主演俳優のトム・シリングが無気力で現代チックな若者をオシャレかつ若干の色気を交えながら演じているのが最高です。私、この俳優のイキイキ、ガツガツしていない、生気がない目が好きなんですよ。日本の俳優さんだと染谷将太さんや池松壮亮さんみたいな感じかな?そんなトム・シリングが「彼氏にしても絶対に幸せにはしてくれないけど、ダメ男だって分かっているけど、本当に愛想が尽きるまで数週間ぐらいなら付き合ってみたいな」って思っちゃう感じの今時ベルリン男子を演じています。

ベルリンはね、本当にピーターパン症候群な大人ばっかりなので「30代はまだまだ20代の続き!」のテンションの大人ばっかりなのです。いい意味でも悪い意味でも、自然体だし、みんな無理してない。この映画ではそんな街の空気感がすごいよく描かれています。鑑賞後には「日本の若者には覇気がない」みたいによく言われているけれども「ヨーロッパの先進国、ドイツの首都、ベルリンの若者だって覇気もなければやる気もないじゃん!」って変な安堵を覚える映画ですね。なんだったら規則正しく高校卒業して大学行って一度ちゃんと22歳で会社に就職しちゃう日本の若者って結構ちゃんとしとる気がする。ヨーロッパでの22歳って、まだまだ「大学そろそろ行こうかな〜?(高校を卒業してからちょっとフラフラしていました)」って考えの若者がびっくりするぐらい多い。私27歳で退職してベルリンきたけども「のんびり大学生していたら30歳まで大学生しています」って若者と出会ったりもするから、結構日本の若者真面目に頑張っているのではないかと思う。だから「レールから外れてしまう」とか恐れずに、30歳を区切りに人生の方向転換を考えたり、新しい分野にチェレンジしても全然遅くなければ逆に経験豊富でいい感じじゃん!って思っちゃいましたね。それぐらいに、この映画の主人公のフラフラっぷりが、もうすっごくリアル!笑 (*対照的な若者として、主人公のお父様の秘書の「THE 出来る若者」みたいなキャラクターも登場しますし、そこもヨーロッパの一面ですが)

ストーリーとしては「コーヒーを飲み損ねた朝から始まる不運な1日」みたいになっているんだけども、ベルリンらしい若者が、ベルリンらしい登場人物に絡まれながら、ベルリンらしいハプニングに会うお話です。とってもカジュアルで、気楽に見れる映画。チラッとベルリンの壁があった時代の話が出てきたり、ベルリンの地下鉄の無賃乗車チェックの様子が出てきたりと「ベルリンあるある小ネタ」も見れて面白いですよ。小難しい映画ではないので、ドイツ語がわかる人はドイツ語で見ても結構理解しやすいです。日常会話しか出てこないし、会話というよりも映像で演出するタイプの映画なので。私もBGM代わりに流しておいたりして、映画を楽しむというよりもちょっとオシャレな感じでドイツ語のリスニング代わりに何度も鑑賞してもいい感じの映画です。

 

ベルリンはヤンチャな街!ってイメージ通りの若者の話「ラン・ローラ・ラン」

原題:Lora Rrennt

邦題:ラン・ローラ・ラン 

www.youtube.com

ストーリー

午前11時40分、ローラ(フランカ・ポテンテ)の家に電話が鳴る。裏金の運び屋をしている恋人マニ(モーリッツ・ブライブトロイ)が10万マルクを電車の中に置き忘れたというのだ。それがないとボスに殺されてしまうと懇願するマニ。20分で10万マルクを手に入れるため、ローラはひたすらベルリンの町を走る。ローラは銀行頭取のパパ(ヘルベルト・クナウプ)のところへ向かう。すると、パパは愛人と密会中。。。。

ラン・ローラ・ラン : 作品情報 - 映画.com

多分、今日の3作の中で一番知名度が高そうな名作。ハプニングばかり!もとから20分で彼氏を救おうなんて無茶な計画!ローラは彼を救うことができるのか?お金は?スピード感のある映画です。実際に1999年のサンダンス映画祭で観客賞を取っていますし、当時はハチャメチャな感じが結構「ドイツ、ベルリンっぽい!」って感じで支持されたとか。1998年に製作されたので、ベルリンの壁は既に崩壊しているけれども、まだユーロに切り替わる前なのでお金に関してはマルクのまんまなんですね。(ちなみに、ドイツのユーロ切り替えは2001年に始まりました)

 まあ、このお話、とにかく主人公の女の子がベルリンの街を走る走る走る!街の中心地のFriedrich str. やUnter Lin Denあたりを走っていくので、映画祭の時に映画の舞台となった地域を観光するにももってこい。更に上映会場の一つ、Friedrich Platzで鑑賞する人は、もうその地区周辺がローラがお父さんに会いに走りまくっていた地域ですので、映画と映画の合間に少し歩き回ってみても面白いかもしれませんね。

しかもお父さんの銀行、今は実はホテルになっています!きゃー!

f:id:morianna:20180117020136j:plain

Hotel de Romaって名前で、以前ここで働いていたホテルマンの友人が教えてくれました。映画で出てきたように、ロックして入退出する金庫のドアも健在とのこと。面白いですね〜 聖ヘドウィグ教会とフンボルト大学の目の前なので探すのも楽そう。このスポットは映画でも走りながらシスター達とすれ違っていますし、今訪ねてみても十分に映画の雰囲気を感じられますね。

f:id:morianna:20180117020153j:plain

住所:Behrenstraße 37, 10117 Berlin

f:id:morianna:20180117020211j:plain

「ローラ、この道めっちゃ走ってたわ〜!」って感慨深くなること間違いなし!

更にこの映画では「同じシチュエーションを繰り返す」と当時ではとても新しい演出があったのですが、スーパーマーケットも結構重要なロケ地ですよね。このスーパー、実際にベルリン・シャルロッテンブルク区にあるスパーマーケットだとのこと。最寄駅は地下鉄の Mierendorffplatzですから、余裕がある人はこちらも訪ねてみたらいいかと。

それ以外にも、普通に街中を歩いてみたり、まあベルリンに住んでいたら「あ〜、あそこがロケ地か!」って結構見覚えのあるストリートがたくさん出てきて面白い映画です。

映画自体も、汚い言葉も出てくるは出てきますがストーリーは単純、走っているのがメインだからキャラクターたちのセリフよりも映像が結構色々と情報を与えてくれる感じ。使われているドイツ語も分かり分かりやすいし、ドイツ語字幕、ドイツ語音声であれば中級学習者にはわかるレベルかと。私ですらまあまあ理解できたので。

公開当時では「アニメと実写映像の融合」「同じシチュエーションを繰り返すストーリー」「テクノミュージック(あれって、テクノなの?)が疾走感を煽る」とか色々と話題になったり、確かに「ドイツっぽい!」「ガチャガチャしたベルリンっぽい若者!」って感じで面白かったみたいですが、今見てみると結構普通の感動レベル。ただ、当時の映画としては色んなことが新しくて話題になったようだ、とだけ記載しておきますね。普通に面白いけど、突っ込みどころも満載だったりするので。

 

歴史ある美しきベルリンの観光名所は全部これで「ベルリン、天使の詩」 

原題:Der Himmel über Berlin

邦題: ベルリン、天使の詩

www.youtube.com

ストーリー

像の上からモノクロのベルリンの街を見降ろす天使ダミエルの耳には人々の声が聞こえてくる。姿は見えないはずなのに、アメリカの映画スター、ピーター・フォークが人間になれとダミエルを誘う。そんな彼が、美しい空中ブランコ乗りに恋をした。天使は人間に恋をすると死んでしまうのだが……。

ベルリン・天使の詩 : 作品情報 - 映画.com

先ほどの予告編で一番最初に登場している、頭の部分が半壊した教会。これはカイザー・ヴィルヘルム記念教会ですね。「青の教会」としても知られ、美しいステンドガラスの内装で有名です。また悲しい出来事ですが、昨年度の「クリスマスマーケット テロ襲撃事件」がおきたのもこちらの教会の目の前の広場。空襲で破壊されたままの半壊したままの旧教会鐘楼をそのまま見ることができる、歴史的にも重要なスポットです。

f:id:morianna:20180117020958p:plain

住所はこちら:Breitscheidplatz, 10789 Berlin

カイザー教会のように、こちらの映画では「ベルリンの名所」と言われるスポットがこれでもか!というほどに素敵な演出によって画面に登場してきます。特に金色の勝利の女神がそびえる「戦勝記念塔」のシーンは印象的ですね。

こちらの映画の公開は1987年、ベルリンの壁崩壊以前の作品であるため、作中にはそのままベルリンの壁も出てきます。とくに個性的絵柄で知られるNoirさんの作品が映り込みますが、今では見ることのできない作品もあります。

f:id:morianna:20180117020716p:plain

「実は2016年の夏にNoirさんに偶然お会いしてお気に入りのiPadにサインしてもらったんだ!きゃっはー!」 という自慢画像。

f:id:morianna:20180127221642j:plain

特に面白いスポットは個人的にアンハルター駅Anhalter bahnhof のシーンだと思いますね。ここ、映画の中ではすっごく荒廃した、もうただの野原なんですけど、今では立派なグラウンドがあったり、地下プール付きのコンサート会場があったりと、近隣がとても発展しました。映画でチラッと映りこむ、背景にある大きい四角の窓が沢山あるアパートメントは今も健在。時代の流れをすごく感じますね。このスポット、ポツダム広場からたった一駅なんですよ!映画祭のついでに観光に来られることをお勧めします。それ以外にも、ベルリン在住者でなくとも、わかりやすいシンボリックな観光名所がセットに使われているので鑑賞後にベルリンを訪れて「あ!」と一番思いやすい映画ですね。

監督は巨匠Wim Wenders。(舌噛みそうになる発音)ベルリンの壁崩壊前のベルリンがよく映されていてすごくノスタルジックな映画です。そして何よりもベルリンのど真ん中にあるカッコイイ図書館が出てきます。(まだ映画スポット語るか!)こちらはベルリン国立図書館ですね。「天使が舞い降りた図書館」という表現を見ましたが、まさにその通りだと思います。美しい建築、内装ですよ。映画公開から20年も経っていますが、現在でも同じ印象ですね。ちなみにこの図書館、入り口の時点で厳しいチェックがあるので、専門の図書カード保有者でない限り、入場することは不可です。図書カードを作るにしても、ベルリンにおける住民登録証の提出や年会費30ユーロを収めるなど、ベルリン市内の他の図書館に比べても少し敷居が高い図書館ですね。が、その分落ち着いていて静かだからめっちゃ集中できるし、また学習机の数も多いので、平日週末問わずかなりの人数の人たちがまるでコワーキングスペースかのように猛烈に作業しております。

この映画のエンディングに監督が「全てのかつての天使、特に安二郎、フランソワ、アンドレイに捧ぐ」ってクレジットを出すんですよ。この、安二郎って日本人監督で「東京物語」で有名な「小津安二郎」監督のことなんです!なんかドイツの巨匠と日本の巨匠の素敵な関係まで知れて嬉しくなる映画ですね。東京物語、気になる方は下記の予告編もついでにどうぞ。原節子さんが嘘みたいに綺麗です。お父さん、お母さん、切なくなるね。。。

www.youtube.com

番外編:今のベルリンを見るなら「ビクトリア」

もう、これで最後にしますが一つだけ追記。「今のベルリン」を知りたい場合にはこちらの映画「ヴィクトリア」がお勧めです!2015年度のベルリナーレで最優秀芸術貢献賞を受賞したりとかなり話題になった映画。そのくせ、私はまだ見ていない!笑

f:id:morianna:20180127222959p:plain

ツイッターで上記のように今日の記事のことを呟いたらKawachi_Berlin(@berlinbau)さんからこの映画もいいよ!とプッシュいただいた次第です。有難い!

f:id:morianna:20180127222928p:plain

で、予告編がこちら。うーん、今のベルリンというか、もう「ベルリンに集まってくる若者」ってこんな感じだよね。まあ人のこと言えないし、同じことはしていないけど近い感じで夜遊びフラフラいくしね、最近はおばちゃんで中々腰が重いですが。予告編だけでグワッと心掴まれました。ONE CITY, ONE NIGHT , ONE TAKEってコンセプトも面白い。

www.youtube.com

ストーリー

ベルリンの街で出会ったスペイン人女性と4人の青年に降りかかる悪夢のような一夜を、全編140分ワンカットで描いた新感覚クライムサスペンス。わずか12ページの脚本をもとに俳優たちが即興でセリフを発し、撮影中に発生したハプニングもカメラに収めながら、ベルリンの街を疾走する登場人物たちの姿をリアルタイムで追う。3カ月前に母国スペインからドイツにやって来たビクトリアは、クラブで踊り疲れて帰宅する途中、地元の若者4人組に声をかけられる。まだドイツ語が喋れず寂しい思いをしていた彼女は4人と楽しい時間を過ごすが、実は彼らは裏社会の人物への借りを返すため、ある仕事を命じられていた。

ヴィクトリア : 作品情報 - 映画.com

まだ映画祭開始まで時間もあるし、近々DVD探して見てみようと思います。皆さんも是非に!

 

ではでは、きっと今では皆さん、とってもベルリンに来たくなったことでしょう!こちら3作でドイツ語の復習をしつつ、ベルリンへのテンションを上げて下さいませ!ベルリン国際映画祭まであと2週間ほどです!楽しみですね!