ベルリンから人生敗者復活戦。

ワーキングホリデーの失敗談を綴る。その失敗の過程と、失敗から出直す、敗者復活戦の過程も勝手に配信する。

ベルリン見聞録:日本人があんまり知らないポーランド、文化と人々と諸々。(一緒にお酒を飲んだら帰れません。)

「ベルリン見聞録」とかまあ仰々しい単語を使いましたが、普通に「ベルリンと言うインターナショナルな街に住んでいたら色んな国の人に出会うから面白いなー」と言う体験から、「私がホームパーティーでご教授頂いたその国の文化を勝手にシェアする」記事でも書いてみようかと思って始めました。続編があるかは未定です。はい、今日のテーマはポーランド。

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先週末、「ビザを3年も貰えたなんてスゴいわ!」と言うことで、前職のスタートアップ企業で今も働いている経理のお姉さん宅でお祝いしてもらいました。手土産にひまわりとワインを持って行ったら「アナタの為にアップルパイを焼いた!」と披露され感激!お姉さんホンマに優しい。お姉さんの旦那さんもポーランドにルーツがあるドイツの方なので、この日の夕食会はポーランド料理を沢山振る舞ってもらいました。スペイン人の元同僚と彼の彼女(ポーランドにルーツがあるウクライナ人の彼女さん)も合流。まあ、とにかく酒豪ばっかりで大変な夜でした。お酒となれば九州出身の血が騒ぎます、が!敵いません。

 

食事編:ピエロギ、ヤジュノヴァ、クラコブスカ。ロシアっぽい料理名だけどあんまりロシアっぽくはなかった。

そもそもの話、このメンバーを以前私の自宅に招いて「無事に会社を辞められました!応援してくれて有り難う!」の日本食会を開いたことから始まります。その際に「御礼に次はポーランド料理を振る舞うわ!」とお姉さんが提案してくれて、「私はピエロギっていう伝統的な料理が得意だから楽しみにしていなさい!」とご招待してくれました。私は「ピエロギ!?なんだそれ、ロシアのピロシキみたいな揚げパンかな!」とワクワクしておりました。「ポーランドとロシア近いもんな〜、料理も似ているのかな〜。」と思ったら案外そうでも無く!

ピエロギ(pierogi

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調理したらこんな感じ。

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なんか、餃子っぽい!調理法も「熱湯で茹でる」と「油で焼く」の2パターンで完全に「水餃子!」と「焼き餃子!」日本滞在経験があるスペイン人のお兄さんも「餃子だ!中華だ!」と一緒にキャーキャー!でも醤油ラー油で食べる餃子と違ってピエロギはサワークリーム的な特別なクリームで食します。「あ、ちょっとロシアっぽい。」と思った私は「ロシア=サワークリーム」程度の知識なのでしょう。因に中身は「ほうれん草」と「マッシュルーム」で素材そのままの味でした。皮も餃子ほど薄くはなく、分厚い感じ。めっちゃ美味しいです。

ヤジュノヴァ(JARZYNOWA )

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ポーランド伝統的なサラダらしいです。茹でた野菜などを細かくサイコロ状に切ってマヨネーズで和えたもの。各家庭でオリジナルのレシピがあるとか。ポーランドの食卓に招かれたら絶対に用意されている料理の一つだそうです。

スカスカの肉類

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KrakowskaクラコブスカにSlaskaシュラスカ、もう一個のソーセージの名前は「忘れた。(お姉さん談)」らしいので省略。肉類には必ず語尾に「〜スカSKA」の音がつくそうな。肉類、特に豚肉系は女性形らしいです。ドイツ語はDie (女性)Der(男性)Das(中性)と言うふうに定冠詞で単語の性を表しますが、ポーランド語では単語の語尾の音で表すらしいです。スペイン語も「可愛い=Bonitaボニータ(女性)/ボニートBonito(男性)」のように語尾で変化をつけるので似ているかな?多言語話者の集まりでもあったので、言語論になるとどもまでも話が続く。長くなるのでここで省略しておきます。

 

お酒編:ワインは一人一本。ズブロッカŻubrówkaの正しい飲み方を習いました。

まず準備からしてオカシイ。ワインが一人一本ずつ用意されています。私の自宅の食事会でも、確かに一人一本ずつ飲んでいました。(私は翌日死にましたが)皆さん本当にお酒が強い!そしてこの日はポーランドの名酒ズブロッカが加わったので、まあ大変でしたよ。私はお家に帰れませんでした。

お酒好きの方はズブロッカと聞けば「あ〜、桜餅の香りがする薬草のウォッカね!」とすぐに分かるかと思いますが、バイソン(正しくはZubry「ヨーロッパバイソン」という動物名です。)のマークで有名なズブロッカの生産地はポーランドだったんですって!知らなかった〜。お姉さんに「ポーランドの全て」みたいな分厚い本を見せてもらいながら、ブランドマークにもなっているヨーロッパバイソン「Zubry」について教えてもらいました。

なんでもZubryは、一度は中世に乱獲されすぎて20世紀初頭は54頭まで減り、絶滅の危機にあったとのこと。ポーランドでは大切に彼らを保護し、今の状態まで回復させたとか。とても大切な動物とのことです。詳しくはこちらのサイトにて解説されていました。やだ、なんか感動する。

www.poland.travel

お酒の背景知識も仕入れた所で、ズブロッカの本拠地のお姉さん達に正しい飲み方を教えてもらいました。なんとアップルジュースで割って飲むのが定番であるとのこと。割合としてはズブロッカ:アップルジュースを1:4ぐらいで混ぜるらしいです。「ストレートでガンガン飲むのかと思っていた。」と言えば「そんなロシア人みたいな飲み方はしない。」んだって!アップルケーキとの相性も最高です!

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でも「久しぶりにポーランドに帰ったら、若者が皆アップルジュースの紙パックを手に持って歩いているのよね。『何でどこもかしこも皆がアップルジュースを飲んでいるのよ??』って不思議に思っていたら、『アップルジュースの紙パックに直接ズブロッカを入れてカクテルにして、その状態の紙パックを持って飲み歩いている』って分かったのよね。ポーランドでは路上でお酒を飲むことは禁止されているから、考えたものよねえ!」あはは!と笑ったお姉さんに、「クラブマテ(ドイツで流行しているカフェイン飲料)にウォッカを混ぜて飲んで歩いているドイツの若者と変わらないね!」と答えて一緒に笑っておきました。あはは!

 

言語編:お皿に残った最後の一つ。日本語の「遠慮の塊」はなんて言うの?

お酒も料理も進んできますと、ピエロギも残り一個!みたいな状態になるわけです。そこで「最後の一個食べちゃって〜!」とお姉さんが言えば、私はお腹がいっぱいだったので「お兄さん食べて〜」とスペイン人に譲るわけですね。すると「遠慮の塊だね〜。」と日本語で言って食べるお兄さん。ポーランドのお姉さんは「遠慮の塊だなんて変な文化ねえ。ポーランドでは『最後の一個を食べる人は美しい』って言われているのよ。」と不思議がっていました。

因にポーランド語では「Kto pije i zjada ostatki jest piekny i gladkiクト ピエ イジヤダ オスタスキ イエスト ピエンクネ イ グアドキ(*なんかの呪文みたい。秘密のドア開けれそう!)」と言うらしいです。最後の一語「Gladkiグラドキ」の正しい日本語訳がなかなか見つからないのですが「滑らかでシュッとしている!」という意味らしく「健康的にスタイルが良い」ってことらしいです。最後の一個は積極的に食べて行こう、ってことかしらね!料理した人も一個だけ残されたら哀しいので、パクパク食べてくれた方が嬉しいでしょうしね。

 

国民的行事:キノコ狩りシーズン到来!日本では高級食材の〇〇がわんさか!

「いや〜、しかしマッシュルームのピエロギが美味しすぎたわ!」とお腹をさすれば「今が旬だからね!」とお姉さん。なんでもポーランドでは9月〜10月がキノコのシーズンらしく、近くの山に行ってキノコ狩りをするのが国民的行事であるとか。「こんなキノコがあるのよ〜」と(最近Instagramを始めたばかりの、お姉さんのお母さんのアカウントで)写真を見せてもらっていたら、「え!これ、松茸じゃん!」とビックリ!日本では高級食材である松茸が、ポーランドの山では「お〜、生えとる、生えとる。」ってぐらいカジュアルに収穫出来るんですって。しかも全然有り難くないらしい!Kania/Borowikと呼ばれて普通に家庭で食べられているようです。因に調理法を聞くと「卵と炒めて食べたり、お肉のソースに使ったり、ピクルスにしたりする」とのこと。松茸のピクルス!スゴいな、食べてみたい。

 

芸術編:ポーランドの一番の映画監督Andersen Wajda氏は親日家。

「いいな〜、ポーランド行ってみたいな!」と大分乗り気で話していると、「ポーランドにも日本の漫画の博物館があるのよ!」とお姉さんがAndersen Wajdaという映画監督を教えてくれました。第72回のアカデミー賞にて名誉賞を受賞したほどのポーランドの名監督ワイダ氏は、実は日本人俳優の石原慎太郎氏とオムニバス作品を作ったり、歌舞伎俳優の坂東玉三郎氏と舞台(のちに同俳優で映画化)を作るぐらいの親日家。彼はクラカウという街に「日本美術技術センター」も設立したそうです。お姉さんは「漫画博物館だ!」と大雑把なことを言っていましたが、調べたら結構すごいみたいですよ。

他にもKieslowskiという監督のThree Colorsという映画もオススメだとか。

(このお兄さん達に教えて頂く映画は大抵日本語の予告編が見つからない。邦題は「トリコロール/青の愛」だそうです。監督はポーランド出身ですが、晩年はフランスで活躍されたとのことでフランス語で展開しております。)

www.youtube.com

大好きな映画からポーランド文化を学んでみるのも楽しいかもしれません。

早速ベルリン図書館でポーランド映画のDVDを探してみます!

トリコロール/青の愛 [DVD]

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 歴史編:「趣味はポーランドの分割です。」出身地が違えば国が違った?

『ロシアの女帝エカテリーナに「ご趣味は何ですか?」と聞くと「趣味はポーランドの分割です。」と答えました。』ってものすごいブラックジョークがありますが、ポーランドはドイツとロシアという大国に挟まれていた地理的理由からとても大変な歴史を歩んでいます。ポーランドは分割された時に、ドイツ領、ロシア領、そして残りはオーストリア領に三分割されたことがありました。この食事会では3名のポーランドにルーツがある友人がいましたが、彼らは出身地がそれぞれロシア、ドイツ、オーストリア領のバラバラに別れており、歴史が違っていれば違う国の出身者になっていたかもしれません。いつも大国との戦争に巻き込まれ、国が疲労していたため国力が育ちにくかったのだと、お姉さんはポーランドの歴史についても教えてくれました。

 

お土産編:「ポーランドのお母さんは必ず帰り際にご飯を持たせる」

食べて飲んで喋ってポーランドについて沢山教えて頂いた、とっても楽しい食事会でした。その上帰り際にはお姉さんお手製のアップルパイをお土産に頂きました。「ポーランドの家庭に行くと、必ず食べ物を持って帰らされるのよ。ポーランドの母親は沢山沢山食べさせるからね!クラカウに行く時は覚悟しておきなさいよ!あはは!」とラブリーに見送って頂きました。素敵です。

(因に朝帰り。19時から飲みだして朝方2時まで酒豪達と楽しみましたが、身長150cmのチビにはコレが限界。お姉さんにソファー借りて爆睡しました。残りの酒豪達はバイキングのように朝方3時半まで飲んでいたとか。強すぎるよ!そして当然のようにズブロッカが空になっていました。)

 

知られていないだけで興味深い国ポーランド。次の旅行先に如何ですか?

歴史の知識だけで「なんとなく大変そうな国。」というイメージしか持てていない人にも「何か面白そうな国だなあ!」と思って貰えたら幸いです。

「ポーランドは対外的にアピールするのがとても苦手で、私ですらたまにポーランド出身であることを隠す時があるの。」と寂しそうにお姉さんが言いました。「日本は寿司やアニメとか、海外に文化をアピールするのが上手よね。」と言われ、「じゃあ、微力ながら私が日本語でポーランドを紹介するよ!」と言うと「書いて!書いて!」と喜んで貰えたのですが、少しは宣伝になったのかな?

「ベルリンからポーランドまで2時間ぐらいしか離れていないのに、ポーランドに行ったことが無いドイツ人ばかり。それぐらい私達の国には興味を持ってくれる人は少ない。」とお姉さんが嘆いていましたが、私としては時間とタイミングさえあえば是非とも行ってみたい国、ポーランド。「ベルリン発、ポーランドで松茸狩り!食べ放題の旅★」とか企画したら面白い気がする。今はバタバタしているけれども、来年の秋はお姉さんと「一緒にポーランドでキノコ狩りに行こうよ!」と盛り上がっています。(旦那さんの実家の地域がよく取れるらしい。旦那さんは「松茸(Borowik)が高級食材とか、笑える!」と発言しています。)紙パックアップルジューズを片手にクラカウの街を歩いているチビのアジア人がいたらきっと私です。皆さんも是非一度、ポーランドへ!